正月登山は小仙丈ヶ岳まで


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雪のアルプスを目指してみよう!
と思い立ったのが2015年正月。

山の雑誌等で、仙丈ヶ岳は雪山初級と紹介されていた。 戸台河原から北沢峠へ上がり、山頂へ登るのを夢見て来ました。 でも、崩落やコロナ渦で小屋の正月営業はずっと休止。 冬の仙丈ヶ岳は地蔵尾根から登るのが、すっかり定番になってしまってました。 ところで、年末に山渓の新年号を見ると、長衛小屋が営業すると載っている。 マジかと思い、ネットで確認すると、Facebookの方で、営業期間は12/30~1/8、素泊まり、テント泊のみ、料金は素泊まり大人1名1泊6800円、テント泊大人1名1泊1000円とアナウンスされていた。ただ、戸台河原の駐車場はまだ使えないので、仙流荘駐車場から1時間半程余分に歩かないといけないことも書いてあった。

夢はテントだったけど、小屋泊にし、予約電話を入れると、あっさり取れた。予約時、インナーシーツ持参するようにと言われた。これはサイトにも載ってあった。 準備を始めると、小屋泊とは言え、アイゼン、ピッケル、ヘルメット、わかん、バーナーとコッフェル、食料等々と詰めていくと、12kg位になった。夏のテント縦走でも10kg以下に収めるのに。結局、この重さと、長い河原歩きが結構堪えた。

丹渓山荘跡から林道へ出る区間も、 谷底から這い上がるイメージが先にあったけど、 実際にはなだらかな上りだった。 でも、すでに河原歩きで脚がきてたので、きつかった。 ようやく着いた小屋は、とても暖かかった。 受付時、ウェルカムドリンクで何でも一本サービスと言われるので、缶ビールを頂き、おでんを注文して、荷も解かずに寛いだ。 で、寝床の二階へ上がると、そこもストーブが効いていた。 従来の二人分を一人用に区切り、布団も新しいシーツでとても気持ちよかった。

少し仮眠し、夕食を取りに下へ降り、食堂で自炊。 自炊といっても、アルファ米とコンビニの土佐煮とラーメンのつもりだったけど、雑煮を振る舞ってくれるらしいので、ラーメンはやめた。 夜、ストーブは切れるが、それでも上下ともベースレイヤーだけで熟睡できた。 時折目が覚めると強い風音が聴こえた。

来る前の予報では、25m前後の風速だったので、恐らく稜線に出たら爆風で、私ごときなど即撤退だろうとイメージして入山していたので、起床も少し遅めにし、6時前に出発した。 朝はコーヒーと、年内に買った五個入りのあんぱんを三つ。 小屋を出ると、やはり足が重い。だるい。 こりゃ小仙丈も無理やな、と思ったり、 GWの北穂の時の方がもっとだるかったけど、一歩づつ歩を進めてなんとか登頂できたんやから、まあ、今回も行けるとこまで歩を進めようと思ったり。

出だしが遅かったので、日の出も朝焼けも樹林で見れず。 トレースはしっかりあったけど、ところどころ風の通りで消えてる箇所がある。そういうところは踏み直さないといけないので、これもちょっと疲れる。 で、ふと見上げると、霧氷があった。 ようやく写真が撮れる。 綺麗なものを見ると、気持ちも落ち着く。 そしてもう少し進み、樹林が開け、振り向くと、 展望が効いた。 腰をおろし、少し眺めると、 あ〜いいな〜、と声を出してしまう。 正直、最近、冬山意欲が以前ほど湧かなくなっているな〜と、 年末に思ったりした。 この遠征も、わくわく感がそう大きく湧かなかった。 でも、やっぱりここまで来て良かったな〜と思える一瞬だった。

再び腰を上げ、進路に向くと、幾つもの肩が見える。 たぶん小仙丈は見えていないのだろうけど、 ひとつひとつクリアしていくかと、また歩を進める。 森林限界を出たけど、風はそれほど強くなかった。 体を持っていかれそうになったのが一度、耐風姿勢を取ったのは一度だけで、あとは冬山にすれば無風といっていいぐらいだった。 ときおり、山肌から雪煙が巻起こり、 その渦がこちらへ向かってくると身構えるが、 そう強い勢いでもなかった。

ひとつひとつ肩に上がり、 広い斜面のトラバースを楽しみ、 周囲の山容を楽しみながら、 ようやく小仙丈ヶ岳の標識まで来れた。 時間を見ると、もう12時近かった。 時間的にもここまでやな、と確認し、 後は、写真を撮ったり、展望を味わった。 行動食は、年末にオクトスの講習会でもらったカロリーメイトを四本。 しばしゆっくり過ごした後、 昨日、山頂まで登った人たちの足跡を羨ましくもう一度眺める。 次は、この先に進まないとね。 そう思いつつ来た道を戻るが、結局、この日、行きも帰りも誰とも会わず。 北沢峠から仙丈ヶ岳目指して登ったのは私だけだったみたい。

小屋に帰り、カレーと缶ビールで一息。 小屋番さんから、どこまで行かれましたかと訊かれ、 ちょっと恥ずかしく、小仙丈までと答える。 風は強かったですか? いや、風は強くなかったけど、小仙丈着いたら12時前だったもんで、、、へたれな足取りなもんで、、、 何時に出られました? 6時前ぐらい、、、 まあ、その時間でしたら小仙丈までそれぐらい掛かりますよ、と。 慰めのようにも聞こえるし、 もっと早く出とくべきと恥ずかしかったり。 昨日と同じように夕方少し仮眠。 夕食は、袋麺とコンビニのごぼうサラダ、そしてソーセージ炒めを注文。

三日目朝はコーヒーと残りのあんぱん二個。 足の重さやだるさはあまり感じず、快調に下山できた。 今回は河原に雪が残り、基本行きも帰りも足跡を辿った。 でも、雪がなければその手は使えない。 岸の際や樹林を行くときはテープがあるが、だだっぴろい河原の中を行くときは基本目印はない。次来るときのために、見当を確認しながら帰った。

ま、今回は絶好の日和だったのに、登頂できず恥ずかしい限りやけど、 ま、次の目標が出来たので、今回は偵察山行ということにしときましょう。 それにしても、どうしてアルプスに来ると、こう足が遅くなるんだろう?

【河原歩きメモ】
戸台河原駐車場から園地らしきとこを抜け、河原に出たら、基本左岸歩き。 二つ目?の堰堤は、堰堤の手前を左岸から右岸に移動してから抜ける。

【軽量化メモ】
・ダウンパンツはいらない。(ダウンジャケットは持っておこう)
・食料も最小限でいい。(丼もの、カレー、おでんなど注文できるし、カップ麺や菓子類も売ってる。 ・コッフェル・ガスも小さいのでOK。(ポットにお湯を用意してくれているので、ガスはほぼ使わずに済む。)
・カイロいらない。(少なくとも寝るときには要らない)
・チェンスパいらない。
・カメラはTG-4で我慢する。
※わかん、スコップは外さないようにしよう。

霧氷が現れた

秋に登った栗沢山

だんだんだんと肩が連なって、小仙丈はまだその向こうかな?

広い斜面のトラバースは楽しかった。

小仙丈が見えてきた。

今回はここまで。来年は、あの頂へ絶対行こう!

ガスが取れて富士山が拝めた!

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